DAY41 2017.12.24 ローマ・バチカン

すべての道はローマに通ず。ローマをたっぷり観光したいところですが…。

クリスマス一色のローマ

さすがローマです。クリスマス一色です。クリスマス休館を避けつつ観光します

ローマでクリスマスと新年

今回の旅はクリスマスと新年がかかわってきます。この二つをどこで迎えるか?ヨーロッパだとクリスマスはお祭り騒ぎというよりも家族で静かに過ごすというイメージですが、それでも特別なイベントがあることも考えられますし、現実問題としてホテルの予約が取りにくくなることが考えられます。悩みどころですが、
せっかくですから思い出深いものにしたいと思いました。「八十日間世界一周」の中のどこにするか。キリスト教(ローマ)の本拠地ローマがあります。もうここしかないと思いました。行程のタイミング的にもちょうどよさそうです。各都市での滞在日数を実際の観光ポイントを勘案しながら行程を組んでいくとクリスマスのタイミングにぴったりはまりました。

次は新年です。ナポリが候補になりました。調べてみると特に目玉になるような特別なカウントダウンイベントはないようですし、街中は爆竹とか花火とかでちょっと危ないらしいことがわかりました。その次に向かうのはエジプトで飛行機との関係もありましたので、ローマに戻ることにしました。

こうしてローマでクリスマスと新年を迎えることになりました。

ミュージアムや史跡など観光には向かない時期

クリスマスも新年もミュージアムや史跡などの見学には向かない時期です。日本の場合、クリスマスは関係ありませんが、年末年始に4~7日間ぐらい休館するところが多いと思います。こちらでは24日の午前中ぐらいは開いているところもあるようですが、12/24、25、31、1/1あたりはほぼどこも休館のようです。もちろんこれに月曜休館なども関係してきます。このあたりのことを考慮する必要があります。一言でいうならクリスマス・イブあたりから元旦ぐらいまではミュージアムや史跡などを巡るにはあまり良い時期ではなく避けた方がいい時期だと思います。

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私も開いているところを探しながら、またクリスマス休館・正月休館に関係ない街中の観光ポイントを中心にローマ観光をしました。

バチカン美術館の大行列

バチカン美術館からローマ観光を始めることにしました。

正確にはバチカンはイタリアでもローマでもなくて別の国、別の都市なんですが、私の感覚ではどうしてもバチカンはイタリアのローマにあると思えてしまって。ここでは区別しないことにさせてください。

さて、バチカン美術館には、開館30分ぐらい前の8時30分頃に到着しました。すでに大行列ができています。これはすごい。入館するまでに一体どれぐらい時間がかかることやら…。いったん諦め時間を変えて来ることにして次に向かうことにしました。

 

アラ・パキス(アーラ・パチス)博物館(Museo dell’Ara Pacis)

アウグストゥスの「平和の祭壇」が再現されている

URL: http://www.arapacis.it/

ここに来たのは、北斎の企画展を見るためです。開館までしばらく時間があったので、まわりを歩いてみました。道路を挟んだ向かい側で埋蔵文化財の発掘が行われていました(もしかしたら保存工事かもしれません)。ここはアウグストゥス廟だそうです。

アラ・パキスも正確にはアラ・パキス・アウグスタエ(アウグストゥスの平和の祭壇)というらしいので、アウグストゥスゆかりの地に博物館があるのでしょう。

さてこの博物館には、その「平和の祭壇」が復元展示されています。白い大理石にローマの宗教観・宗教世界がレリーフで彫られています。とても美しいことは間違いないのですが、わりとあっさりと見終わってしまいました。解説を聞きながらとかだと違うのかもしれません。

北斎展を見ることにしました。

葛飾北斎の企画展(HOKUSAI: Sule Orme del Mestro)

北斎展は入り口が別でした。いったん外に出て別の入り口から入り直します。

2017年5月には大英博物館でも北斎展“Hokusai: beyond the Great Wave”が開かれましたし、北斎は欧米で人気のようです。印象派にも影響を与えるなどで著名なのでしょうね。“Great Wave”は「冨嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」のことですが、欧米ではよく知られているようです。ここの企画展のパンフレットの表紙にもなっていました。日本でもここ数年、浮世絵の企画展が多いような気がします。大ヒットだった「春画展」は記憶に新しいところです。

さて、北斎展ですが、「冨嶽三十六景」は25点展示されていました。全部でないのは残念ですが、これだけまとめて見られるのは貴重な機会だと思いました。

驚いたのは、北斎展といいながら、半分ぐらいは渓斎英泉の作品だったことです。調べてみると、英泉は北斎に私淑はしていたものの弟子ではなかったようです。不思議です。企画展のタイトルは“HOKUSAI: Sule Orme del Mestro”ですから「北斎 巨匠の足跡」と訳せそうで、そこからは英泉とのかかわりはわからないですし。何か理由があるのかもしれませんが。私にはわかりませんでした。

写真は撮影禁止でした。

会期は2017年10月12日から2018年1月14日までということですから、良いタイミングでローマに行きました。

けっこう混雑しているというのをブログで読んでいたのですが、私が行ったときはガラガラでした。元々、観光客はあまり行かず地元客中心でしょうから、皆さん、クリスマスの準備で忙しかったのかもしれません。

再びバチカン美術館へ

再びバチカン美術館に行きました。バチカン美術館に入れなければサン・ピエトロ寺院を見るつもりでしが、なんとすんなり入れました。あのまま待っていてもすぐに入れたのかもしれませんが、こればかりはわかりませんし、仕方ありません。

しかもうれしいことに、通常17ユーロする入館料が無料。クリスマスのためでしょうね。

 

バチカン美術館(Musei Vaticani)

必見の数々でゆっくりと時間をかけてみたい

URL: http://www.museivaticani.va/

30年前に来た時は、システィーナ礼拝堂は見たもののバチカン美術館は時間の都合で見なかった記憶があります。今回こそです。ちなみにその時、システィーナ礼拝堂は日本テレビが資金提供をした修復が行われている最中で足場が組まれていました。そのため全体像を見ることはできませんでした。

やはり訪れて良かったです。こんなにすごいとは!

年間600万人の入館者数

バチカン美術館は年間で600万人余りの入館者数があるようです(2016年)。これはルーブル美術館、メトロポリタン美術館、大英博物館、ナショナル・ギャラリー(ロンドン)についで世界で5番目です。6番目はテート・モダン。

ということで、今回の旅で、なんと世界で入館者数が多い美術館のトップ6をすべて見ました!!

ちなみに7位は故宮博物院(台北)で、以下、ナショナル・ギャラリー(ワシントンD.C)、エルミタージュ美術館、ソフィア王妃芸術センターと続きます。台北も乗り継ぎでしたが寄ったので、どうせなら行っても良かったかもしれません。行けば7大陸ならぬ7大美術館を制覇できたので(笑)

バチカン美術館はミュージアムの集合体、マップは必須

バチカン美術館といっても一つではありません。ここもバチカン美術館群というべき、美術館の集合体です。もちろんバチカン美術館という大きな美術館に複数テーマの複数展示室があるという理解でもいいかもしれません。

いずれにせよ、テーマの異なる展示室がいっぱいあることだけは理解しておいた方がいいです。そして、インフォメーションで必ずマップをもらった方がいいです。マップといっても順路が書いてあるもので、平面図は書いてなかったですが。

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バチカン美術館は見どころがいっぱい

バチカン美術館はとにかく見どころがいっぱい。予習はするにこしたことがないと思います。私はあまり予習ができておらず、今から考えるともったいないと思うところもあります。それでもものすごく感動しました。大英博物館やルーブル美術館もそうですが、時間がいくらあっても足りないぐらいです。システィーナ礼拝堂はいうまでもなく地図のギャラリーやラファエロの間などが有名な見どころだと思いますが、それ以外にも絵画や彫刻などすばらしいものがたくさんです。それにしてもなぜエジプトの展示があるのでしょう?街中にはいっぱいオベリスクもありますし。ローマ帝国の関係でしょうか。

圧巻のシスティーナ礼拝堂

バチカン美術館のハイライトといえば、やはりシスティーナ礼拝堂でしょう。教皇を選出するコンクラーベが行われる場所でもあります。もう私の力では言葉が見つからないぐらい美しく迫力がありますし圧巻です。その空間に身を置くこと自体が快感。ほんとに見とれてしまいました。細かく絵解きをしていったらきりがないです。

ここは残念ながら撮影禁止。仕方ないと思いますが、ちょっと残念です。

ミラノで「最後の晩餐」も見られましたし、ここで「最後の審判」も見られました。なんと幸せなことでしょう。

美しい不思議なスロープ

出口へはスロープで向かいますが、このスロープがとても美しく感じました。

 

サン・ピエトロ寺院(Basilica Papale di San Pietro)

カトリックの総本山はやはり大混雑

URL: http://www.vatican.va/various/basiliche/san_pietro/index_it.htm

サン・ピエトロ広場のところに大行列ができています。列に並ぶのが嫌いな私は普通なら別のところに向かうのですが、今日はクリスマス・イブで午後は閉館というところばかりです。それになんといってもクリスマス・イブにカトリックの総本山です。並ぶことにしました。1時間は並んだと思います。手荷物検査がしっかりありました。それはそうでしょうね。

内部はやはりすごいです。美しく荘厳で圧倒されます。やはり体感・体験すべき空間です。クリスマス・ミサの準備もされています。中継用のカメラもありました。

残念だったのは、塔の上部に上がれなかったことです。30年前に来たときは天井のドームあたりから下を見てすごさを感じましたし、屋根の上でローマ市街にも見とれました。今回調べてみると今でも「クーポラ」に上がれるようでした。クリスマスの関係でだめだったのかもしれませんが、単純に見落としてしまったようです。残念!

ここで行われるクリスマスのミサ。参加してみたいところですが事前申し込みのようでした。今晩はきっとあちこちの教会でミサが行われるでしょう。朝からあちらこちらで鐘がなっていました。

他にもみたいところはありますが、クリスマスのため早く閉まってしまうところばかり。途中、名所があればちょっと立ち寄ってみることにしつつのんびり歩きながらホテルに戻ることにしました。

ローマを歩く

サンタンジェロ城(Castel Sant’Angelo)

サンタンジェロ城

入ろうかどうしようか悩みましたが、パスしちゃいました。結局、別の日に見たのですが、今にして思えばこの時に見ておいた方が良かったかなと思います。

 

ナヴォーナ広場(Piazza Navona)

四大河を擬人化した彫像があしらわれたオベリスクを配した噴水がある広場。四大河とはナイル河、ガンジス河、ドナウ河、ラプラタ河だそうです。

 

パンテオン(Pantheon)

もともとはローマのさまざまな神をまつる万神殿だったそうですが、608年か609年かにキリスト教の教会になったといういわれを持ちます。現在、見ることができるのは2代目のパンテオン。2代目といっても建設されたのは118年から128年にかけてといいますから、およそ2000年前!初代が完成したのは紀元前25年だそうです。それもすごいです。

内部は外で思っていた以上に広く大きい感じがしました。そしてとても美しかったです。ラファエロの墓もあるようですが、見落としました…。

ちなみに「ローマの休日」ではパンテオン正面向かって右側の道路をはさんだあたりにオープン・カフェ(サイド・ウォーク・カフェ)がある設定で、パンテオンのファサードの横から見たところがうつります。

「天使と悪魔」

お気づきでしょうか?システィーナ礼拝堂、サン・ピエトロ寺院・広場、サンタンジェロ城、ナヴォーナ広場、パンテオン。実はこれみんなダン・ブラウンの小説「天使と悪魔」に出てくる場所なんです。トム・ハンクス主演で映画にもなっています。小説も映画も旅のずいぶん前に読んだり観たりしていました。今回、ローマを訪れるにあたっては、ローマが舞台だったのを思い出して、ローマのどこが登場していたか調べナヴォーナ広場やパンテオンなどを訪れました。

今回、この記事を書くにあたり、改めて「天使と悪魔」を見直してみました。正直にいうともったいないことをしたなと思います。どうせなら映画を事前にちゃんと見ておけばよかったです。せっかくのところをけっこう見落としていました。もちろん「天使と悪魔」を追体験するためにローマに行ったのではありません。ただ、小説や映画をきっかけに見方を深めることができます。気が付かなかったことにも気がつけたり知識を広げ深めることもできます。ガイド付きの旅ではなく一人旅ですから、自分で歴史とか背景とか見所などを調べたり学ばないと貴重な機会を生かすことができません。私にとって、ロケ地めぐりをするのは、実はこういうところがメリットなのです。まぁでも単純にミーハーなだけなんですけどね。

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トレビの泉(Fontana di Trevi)にスペイン広場(Piazza di Spagna)

前回のローマ訪問でも訪れました。こんなに観光客がいっぱいいるなんて驚きでした。行くところがないこともあってみんな同じところに行くのかもしれません。理由はともあれ観光客に大人気なのは間違いありません。

 

ホテルでクリスマスを迎える

食事は買ってきたもので軽くすませました。ホテルでは日記を書いたり写真のバックアップをとったりします。ツイッターも毎日あげていました。せっかくの機会ですからもっとクリスマスの夜の街中をいろいろと歩いてみようかとも思ったのですが、安全策をとってやめておきました。

ホテルの部屋でミサの中継をみました

幸いこの日はテレビ付きの部屋です(この旅ではテレビなしの部屋がけっこう多かったです)。深夜にバチカンのミサを放送していました。イタリア語ですし何を言っているのかさっぱりわかりませんが、とても厳かな感じがしました。そう遠くないところで行われているのをテレビで見るのも変な感じがしないではなかったですが、ずっと見てました。

深夜12時になりました。街中の教会の鐘が一斉に鳴りだします。ほんとに一斉に鳴りだしたというのがぴったりです。泊まっていたホテルのすぐ近くの教会の鐘も鳴っています。

このようなタイミングでローマにいられるなんて、ほんとに貴重な機会だったと思います。

 

今日の歩数:33,383歩  世界一周はあと39日

※この日が今回の旅で一番歩いた日です!22kmぐらい歩いていることになります。