7.決断の時

憧れは別にして、世界一周を具体的に考え、実際に旅を始めるまでは1か月強といったところでした。

2017年の9月末に仕事の契約が切れました。10月以降は白紙です。さてどうするか?今までやってきたことは、あまり一般的ではなくどちらというと特殊な仕事でした。求人は限定的です。また、若い人向けの求人がほとんどで、マネージメント的な立場の募集はほとんど見かけません。求人が増える時期も傾向があります。

ネットなどで求人は調べてみました。やはり予想通り。生活のための仕事と割り切って、仕事の選択肢を広げるべきなんだと思います。でもその前に、もう少しの間だけ、自分がやってきたことを生かしながらやりたいと思える仕事を探したいと考えました。退職金もないですし貯えに余裕はありませんでしたが、切り詰めれば1年ぐらいはなんとかなりそうでもしたし。もちろんこのお金は、先々のことや老後のことを考えると、とっておきたいところなのですが。

そんなときに、ふと思ったのが、このまとまった時間を生かして少しのんびりと海外旅行にでも行きたいなということです。そしてどうせなら勉強と思いの確認を含めて、いっぱいミュージアムを見る旅をするのがよいと思いました。

 

「世界一周航空券」のことも思い出しました。2、3か月の語学留学もいいなと思いました。

ネットで検索すると、いろいろなサイトが引っ掛かります。世界一周のモデルコースを掲載しているサイトがあったり、中高年の語学留学にふれているサイトなどもあり、体験談などもたくさん読むことができます。

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その中でも、もともとパイロットになりたかったぐらいの飛行機好きの私が魅かれたのが、スターアライアンスとワンワールドの世界一周航空券用のサイトです。

  • スターアライアンスの世界一周航空券サイト

URL: http://www.staralliance.com/ja/round-the-world

  • ワンワールド・アライアンス/計画とご予約

URL: https://rtw.oneworld.com/rtw/default.aspx?lang_id=ja

予約はともかく、遊びで夢の世界一周ルートを考えました。5大陸をめぐりながら驚異の自然や失われた文明に出会うルートがすごく魅力的でしたが、ふと思い出したのが、「八十日間世界一周」。ジュール・ヴェルヌの小説で、知っている範囲では2度ほど映画にもなっています。

世界一周、どうせなら1年とか2年とかをかけたいたいところです。せめて半年。ただ実際に旅に出るとしたら、旅のスタイルや予算のこと、親のこと、仕事(収入)のこと、体力・気力などを総合的に考えなければなりません。そこに刺さったのが「八十日間」という言葉です。3か月弱。若い頃からあっちこっちを放浪的な旅をしてきたのではない私にとってはちょうどよい期間のように感じました。小説も読んでみました。ルートも出てます。

 

「そうだ!!飛行機が発明される前の1872年(明治4年)は80日間で世界一周ができるかどうかが賭けになるかもしれないけど、今なら2、3日あれば十分できる世界一周を、あえて80日間かけてやってみたらおもしろいかもしれない。移動手段は違ったとしてもできれば可能なかぎり同じコースで」。

 

スターアライアンスとワンワールド、それぞれの世界一周航空券のサイトで、ルートを計画してみました。

両方ともなんとかなりそうでしたが、ワンワールドの方がアジアに戻ってきてからの各都市での滞在時間に制約がありそうで、スターアライアンスの方がいいと思いました。もちろん旅行代理店の方に相談しながらルートづくりを行えば回避策もあったかもしれませんし、より良いルートもできたかもしれませんが、出発点は夢想なのでそこまではしませんでした。

 

遊びではじめた空想の世界一周旅行ですが、がぜん現実味を帯びてきました。

「旅の決意」の項で先に述べたように、心の中ではやらない理由をずっと探していたような気がしますが、思い切りました。不安と心配だらけでドキドキしながら、スターアライアンスの予約ボタンをクリック!!自分を追い込みながら挑戦しようと思いました。

こうして私は決意し旅に出ようと思いました。