DAY30 2017.12.13 パリ

昨日もなかなかのものでしたが、今日はそれ以上に盛沢山で密度の濃い一日でした。

オランジェリー美術館(Musée de l’Orangerie)

モネの「睡蓮」はやっぱりすごい

URL: http://www.musee-orangerie.fr/

オランジェリー美術館

印象派とポスト印象派の美術館。なんといっても圧巻はモネの「睡蓮」。この美術館自体、「睡蓮」を収蔵するために作られたとか。作品の力があってのことだと思いますが、2016年の入館者数は78万人だそうです。規模からすればかなりの動員力といえるでしょう。

「睡蓮」に包まれる

エントランスホールの展示室へのアプローチを通り抜けると、そこにはモネの「睡蓮」が楕円形の部屋いっぱいに広がっています。その淡い光の移ろいと睡蓮。気持ちが落ち着き安らぐような空間です。「睡蓮」は2室に展示されています。部屋の中央には椅子が置かれ、心行くまで作品を見ることができます。

スマホ全盛時代、これは避けたい

この人、絵の真ん前でスマホをいじってずっと動きませんでした…

ただし、記念撮影をする人も多く、落ち着かない場合もあります。また、私が訪れた時には、まったく空気を読まないというか信じられない光景を目にしました。スマホで写真を撮るのはよくあることです。それ自体はいまさらどうこうはないのですが、絵の真ん前でおそらくメールのチェックか何かをして数分間立ち止まったままという人がいました。何も絵の真ん前でしなくてもいいと思いませんか?他に見ている人もいるのですから。

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意地の悪い私は、彼のその後の行動を観察しました。案の定、スマホで写真を撮るのに夢中で、他の観覧者のことなどお構いなしです。自分がいい写真が撮れればそれでいいようです。絵を自分の目でしっかり見ている様子もありません。絵の楽しみ方は人それぞれですから、とやかくいうつもりはありませんが、自分以外にも絵を見ている人がいることだけはもう少し配慮してほしいと思います。

モネ以外にも素晴らしい作品がいっぱい

地下にも展示室があり、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソ、モディリアーニなど著名な作家の作品がいっぱいあります。個人的にはモディリアーニがなんかいいなぁと感じました。

企画展は“Dada Africa”

アフリカ美術のダダイズムへの影響のような展覧会をやっていましたが、私にはダダイズムの知識もアフリカ美術の知識もなかったので、ピンときませんでした。

セーヌ川の増水

それにしてもセーヌ川も近いし地下室の展示室で大丈夫なのかなぁと懸念していいたら、2018年1月、やはりセーヌ川の増水(洪水)による影響があったようです。幸い直接的な被害はなかったようですが、閉館を早めたり、作品の避難準備をしたりなどはあったようです。2011年の津波で日本では文化財の被害が発生しました。めったに起きないことかもしれませんが、人命はいうまでもなく文化財もきちんと守れるよう建物などハード面でできることをしておきたいものです。もちろん避難訓練など人的側面・ソフト面はいうに及ばずです。

 

ギメ東洋美術館(Musée Guimet:Musée national des Arts asiatiques-Guimet)

圧巻の東洋美術コレクション

URL: http://www.guimet.fr/

仏教美術をはじめヨーロッパ随一の東洋美術コレクション

何もパリに行ってまで東洋美術を見なくても、と思わないでもないですが、かなり見たかった美術館の一つです。この美術館はリヨン出身の実業家エミール・ギメ氏が世界の宗教博物館を作ることを目論んで自ら収集したコレクションが出発点になっているそうです。1945年にはルーヴル美術館の東洋部門のコレクションも移管され、より充実したコレクションになったとのことです(ギメ美術館からはエジプト関連の収蔵品をルーブル美術館に移管したそうです)。特に仏教美術はアジア各地の仏像などがとても充実していました。

日本に関する展示

仏像もあるのですが、縄文土器や埴輪、絵巻、陶磁器、掛け軸、武具、印籠、櫛など幅広く展示されていて、充実しています。

ギメ氏と日本

ギメ氏の旅のルート

ギメ氏の収集の旅についての展示コーナーがありました。

この収集の旅でギメ氏は1876(明治9)年に日本を訪れています。この時の滞在許可証(ビザ)が展示されていました。また、その時のエピソードも紹介されています。通訳の問題もあり、ギメ氏には日本の宗教観がさっぱりわからなかったそうです。一神教のキリスト教と森羅万象に神が宿る八百万の神ではまったく違いますからそれはそうかなと思います。

 

シテ建築遺産博物館(Cité de l’architecture & du patrimoine)

伝統的なものから今日までの建築を学ぶことができる

URL: https://www.citedelarchitecture.fr/

ここが入り口なんですが…わかりにくかったです

エッフェル塔からも遠くないシャイヨー宮の片翼にある博物館です。入り口がわかりにくく注意が必要です。別の入り口の守衛さんに聞いたら「黄色いゲートだ」といわれましたが、ほんとに黄色でした。

この館ではフランス各地にある12世紀から今日までの建築に関する展示を行っています。

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見ごたえがあったのは伝統的な建築物から型取りしたレプリカ(取り壊されてしまった建築からの実物もあるようですが、多くはレプリカのようでした)。その数に驚かされます。また、建物上部にあるため通常では見ることができないものを間近に見ることができるのも良い点です。現代の建築については図面や模型が展示されていて、それも興味深かったです。建築を学ぶ学生や建築好きな人にはたまらない施設かもしれません。

子どものためのハンズオンコーナーも充実しているようでした。

ところで、昨日訪れた科学にも“cité”が使われていますし、ここも使われています。気になったので調べてみました。フランス語の“cité”はどうやら英語の“city”に当たる単語のようです。

 

凱旋門(Arc de triomphe de l’Étoile)

パリといえば、凱旋門

URL: http://www.arcdetriompheparis.com/

お上りさんの私にはここは欠かせません。30年前のパリ訪問時にも来ましたが、屋上に上がれませんでした。今度こそです。

この凱旋門は、ロシア・オーストリア連合軍との「アウステルリッツの戦い」に勝利したナポレオンの命により戦勝記念碑として建築されました。完成は1836年です。この凱旋門の名称は正しくは「エトワール凱旋門」。エトワールは星という意味で、この凱旋門から放射状に広がっている道路が星の輝きのように見えることから名づけられたらしいです。

屋上に上がれました。らせん階段を上るのでけっこうしんどかったですが、上がった価値は十分ありました。新凱旋門も見えます。もちろん有名ブランドがいっぱいのシャンゼリゼ通りも。道路が放射状になっているのも確かでした。

無名戦士の墓

凱旋門の真下には無名戦士の墓があり、その炎が印象的でした。

 

ピカソ美術館(Musée Picasso:Musée National Picasso ,Paris)

ピカソの優品がまとまって見られる美術館

URL: http://www.museepicassoparis.fr/

地下鉄に乗って移動しました。ちょっとわかりにくいところにありましたが、グーグルマップの力でどうにか到着。

建物は塩税徴収官の家だった歴史的な建造物のようです。美術館とするために改修され1985年に開館。近年も大改装があったようで2014年にリニューアル・オープンしたそうです。この美術館は大きすぎず小さすぎずちょうどよい規模の美術館という感じがしました。

コレクション、元を質せば物納!

収蔵作品のベースは、なんとピカソの遺族による相続税の物納。なんとも現実的な理由です。ピカソがずっと手元に置いておいた貴重な優品が多いそうです。確かに、私のような素人にでもわかるピカソらしい作品の数々だったと思います。

この館では企画展を適宜実施しているようです。訪れたときは、1932年にスポットをあてた展覧会を行っていました。

 

ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Paris)

展望塔、宝物庫、地下遺構。見所いっぱいのノートルダム大聖堂

URL: http://www.notredamedeparis.fr/

昨晩は内部を少し見ただけでしたが、塔に上がりたいと思い再訪しました。またまた階段です。やはりきついです。途中で鐘も見られました。ヴィクトル・ユゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ(ノートルダムのせむし男)」に出てくるせむし男がつく鐘でしょう。魔除けの魔物のような彫刻(ガーゴイル?)もまじかに見ることができます。

パリ市街が一望できる

生憎の天気でしたが、見晴らしはやはり素晴らしいです。それにしても、エッフェル塔に凱旋門にノートルダム大聖堂。私はどんだけ高いところが好きなんでしょう。

宝物庫も見ごたえあり

礼拝所のフロアに宝物庫がありました。ミュージアム・パスでは入れないので別途入館料が必要でしたし小規模でしたが入る価値は十分ありました。宗教用ですが美しい宝飾品の数々。さすが伝統ある教会です。

地下遺構もあり

大聖堂の前の広場には、地下遺構の入り口があります。ここにも行きました。大聖堂の地下にこのような場所があるとは驚きです。大聖堂自体、建設が1163年にまでさかのぼるぐらいですから、このような場所があっても不思議はないのかもしれませんが、地下の様子もパリの歴史を感じさせます。

 

ポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)

近現代美術・芸術の拠点。建物からしてポンピドゥー

URL: https://www.centrepompidou.fr/

行きたいところだらけのパリなのですが、ここもやはりぜひ訪れたいと思っていたところです。わりと遅くまで開いているので、いろいろ回って疲れていたのですが、行ってみました。

もう建物からしてポンピドゥー。設計はレンゾ・ピアノ氏。先日見た屋上が特徴的なカリフォルニア科学アカデミーの設計者でもあります。

展示作品も空間も期待を裏切らず、すばらしいところでした。ここは複合的な芸術文化センターといえると思いますが、見学したのは近現代の美術館ギャラリーの部分です。

近代の絵画作品にはだれでもが知っているような著名な作家のものもたくさん。正直なところ、近代の作品がこんなにたくさん展示されているとは知りませんでした。現代美術ばかりかと思っていました。

現代美術については、アメリカの現代美術館と収集している作家など共通する部分も多いのですが、なんとなくコレクションの方向性が違うというかテイストが違うというか…。言葉にはうまくできないのですが、ぼんやりながら違いを感じました。また、映像系の現代美術にも力を入れているようです。

小さな子どものためのスペースが設けられているのが印象的でした。時間も遅かったので、さすがに遊んでいる子どもはいませんでしたが。

ユニークな企画展やパフォーマンスなども行われているようです。そうしたものも見たいと思いました。

ちなみに入館者数は、約334万人(2016年)。トップテンではないですが世界第13位。

 

いっぱい歩きまわり、また階段もたくさんのぼりとても疲れましたが、見たいと思っていたものがたくさん見られて充実した一日でした。

今日の歩数:27,752歩  世界一周はあと50日