リバプールもあっという間でした。あと1、2日ぐらいいてビートルズゆかりの地なども見てまわりたかったのですが、先を急ぎました。
リバプールからロンドンへ
リバプールのライム駅からヴァージンに乗ってロンドン・ユーストン駅に向かいます。イギリスの国鉄は上下分離方式で民営化され、ヴァージンは運行会社として1997年から鉄道事業に参画したようです。
乗り心地はよかったのですが、通路側で逆向き。窓も半分しかありませんでした。垣間見える風景はのんびりとした感じでとてもよかったです。スピードはかなり速かく200kmぐらいは出ていたと思います。
ロンドン到着後、ホテルに向かいます。地下鉄のチケットは7日間通用する「オイスターカード」を購入しました。ロンドンの地下鉄(チューブ)の天井部はやはり丸かったです。
ホテルのチェックインはできなかったので、荷物を置かせてもらい(ほんとに置かせてもらう感じでした)、3つのミュージアムが集中しているサウス・ケンジントン駅に移動します。
ロンドン科学博物館(Science Museum)
展示構成、展示物、デザイン。いずれをとっても素晴らしすぎる科学館
URL: https://www.sciencemuseum.org.uk/
かなり期待していったロンドン科学博物館ですが、その期待以上でした!
エクスプロラトリアムのような科学原理・法則や人間の認知をハンズオン、体験的に学ぶというところやデジタルを活用したインタラクティブな展示で学ぶところなども随所に盛り込まれていますが、産業技術史的に重要なものを収蔵し保管していくことがとても重視されているという印象を受けました。
科学館は、一口に科学館といっても、さまざまな学問分野に分かれますし、自然史や産業技術をどう扱うかということでもその館の性格がかわります。この館ではそうしたことを考えさせられました。余談ですが、日本の国立の科学館は、こうした観点から立ち遅れているというか、もう少しどうにかならないかと思います。少なくとも国立の自然史博物館と産業技術史館はあってもいいと思いますが…。
さすがイギリスと思ったのはワットの蒸気機関など産業革命に関する展示が充実していました。個人的に圧倒されたのは航空機関連の展示です。エンジンのコレクションがすごかったです。ものすごい数が展示されていました。また、「数学」のコーナーをはじめ、各所の空間デザイン、展示デザインがとてもよかったです。テーマに合わせて巧みにデザインされていました。
基本的に入館無料ですが、有料の展示や無料でもチケットが必要な展示がありました。これらはスキップしてしまいましたが、またいつかゆっくりと見てみたいと思います。ここは子どもでも大人でも一日中楽しめる科学館であることは間違いないと思います。
そういえば、多摩ナンバーの自動車が展示されていましたが、なぜだったんでしょう?
ロンドン自然史博物館(Natural History Museum)
自然史博物館の王道
ここはもともとは大博物館の一部門で分館だったようです。近くにある科学博物館から分かれたのかと思ったらそうではありませんでした。
展示構成は自然史博物館としてはオーソドックスですが、ここも収蔵品には驚かされます。大英帝国の威信ありという気がしました。またこの館でも生殖にかかわることをきちんと取り上げていました。
展示で少し残念だったのは、阪神淡路大震災に関する展示です。空間デザインが微妙でしたし、地震を経験したことがない人には十分インパクトがあるのかもしれませんが、もう少しちゃんとした起震装置を入れればよいのにと思ってしまいました。
訪れる人は少なそうでしたが、新館のダーウィン・センターが良かったです。コクーンと名付けられたところは収蔵庫かもしれませんが、空間デザイン的にも面白かったです。また、研究者が働く姿も見ることができたり仕事の紹介があったりして、親近感を高めることができます。
科学博物館もそうだったのですが、子どもたちやファミリーの入館者も多いのですが、若者や大人が意外に多かったのが印象的でした。
デザインも良かったです。古い建物をうまく取り入れたりしたところの調和のさせ方も素晴らしいと思います。ただ、増築・改築された部分についてはすこしつぎはぎ感があるところもありました。
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A : Victoria and Albert Museum)
やはりすごかった芸術とデザインの殿堂
ここは、美術作品に関する展示も素晴らしいのですが、工芸やデザインに関する展示が充実していました。どれも質の高いものだと思います。また、海外(といっても仏教美術、中東のイスラム美術、中国、日本、韓国、南アジア、東南アジアなどの限定的なアジアですが)の美術・工芸に関する展示も良かったです。
日本美術の展示室は“The Toshiba Gallery of Japanese Art”と書いてありましたが、ここはどうなってしまうのでしょうか?作る時のスポンサーで、この展示室を運営し続けるためのスポンサーでなければまだよいのですが…。
昼食も食べずに訪れた2館ですでにいっぱいいっぱいでしたが、閉館まで2時間弱あったのでV&Aに立ち寄ってみました。駆け足でも時間は足りず一通りは見きれませんでした。残念です。
なお、ヴィクトリア・アンド・アルバート「美術館」といった方がふさわしい気もしますし、実際、そのように記載されていることも見かけますが、ここでは日本語の公式ウエブサイトにあるように、「博物館」と表記しました。
今日は移動日でありながらも3館も訪れることができました。疲れましたが、この日もまた密度の濃い一日でした。
今日の歩数:24,027歩 世界一周はあと57日