夕べは良く眠れませんでした。ホテルは大通りに面しているような立地で、なおかつ隣はバスターミナル。とにかくクラクションが賑やかでした。クラクションは「ブーブー」とか「プップッ」などの擬音で表現されるような音ではなく、ミュージックホーンともまたちょっと違うとは思うのですが、ラッパが音階を奏でるというか…。一晩中、派手に聞こえてました。
早朝の列車でアーグラーへ
今日の鉄道は6:15発です。ジャイプールは始発駅ではなく途中駅で、ジャイプールへの到着予定時刻は5:45。余裕を持って5:15にチェック・アウトしました。フロントは仮眠中で、寝ぼけ眼で対応してくれました(笑)
鉄道駅での1コマ
今日も予約は取れてますが、席が未指定です。Enquiry窓口で確認しようと思うのですが、めちゃくちゃ押し合いへし合い。横入りというか我先にというか早朝からバトルです。順番に礼儀正しくなんて言っていたら、とても自分の順番は回ってきそうにありません。
ツンツンと腕をたたく人がいました。言葉はよくわからなかったのですが、指指してあっちの窓口に行ったらと教えてくれているようでした。確かに人は並んでいません。いいのかどうかはわかりませんが、ここに並んでいるよりは良さそうと思ってその窓口に行って聞いてみました。ちゃんと席を教えてくれました。窓口を教えてくれた人は、身なりはお世辞にも良いとはいえません。人を見かけで判断してはいけませんが、チップ欲しさだった可能性はあるものの、素直に好意と受け取り、お礼を言ってホームに向かいました。ほんとに助かりました。
アーグラー・カント駅へ
ホームを確かめ、指定車両の止まる位置を探します。ギリギリになって表示されました。列車は少し遅れていたのでそのためかもしれません。195km、4時間40分の旅が始まります。
今日も1等寝台のコンパートメントです。先客は1名。次の駅でその人は降りて、代わりにファミリー客が乗ってきました。小さな子どもいましたし電話をしたりかなり賑やかマイペースです。私がいなければ気兼ねなくコンパートメントを使えたのでしょうに、少し遠慮してしまいます。
スマホのGPS機能で現在位置を確かめながら、乗り過ごさないようにします。終点ではないですし、放送はないので気を使います。途中の停車駅は事前に調べておきました。アーグラー・カント駅に近づいているのがわかります。ここでハプニング。事前に調べた段階では、目的のアーグラー・カント駅の一つ前の駅のアーグラー・ジャンクション駅に停車することになっていました。しかし、そのような駅にとまることなく、いきなりアーグラー・カント駅に到着です。駅名表示を見てびっくり。降りる準備はほぼできてはいましたが、焦りました。さらに焦ったのはコンパートメントのドアが開かないこと。ガチャガチャしても開きません。扉をチェックしてみると落とし錠があります。家族連れがかけたようです。赤ちゃんに母乳を与えている様子もありましたので、プライバシーを保ちたかったのかもしれません。まぁなんとかカギも開けられて無事降車できまました。1時間以上遅れて昼ごろの到着でした
駅からホテルへ、売り込みの激しいドライバー
駅からホテルへは無料送迎がありました。事前にホテルへ問い合わせをして合流方法も確認しておきました。名前を書いたボードを持って待ってくれているはずです。ホテル名を言って声をかけて来る人がいました。念のためこちらの名前を言ってもらおうと思ったら、わからない様子。電話して聞いてました。確認できたので、オートリキシャーに乗りました。ホテルのスタッフではないようです。駅に降りるとオートリキシャーのドライバーなどがともかくいっぱい声をかけてきますので、無用のトラブルを避けるためにもこうした確認が大切です。
ホテルに向かう道すがら、日本人はいい、からはじまり、仕事は何だ、これからどうするんだとやたらと話しかけてきます。そして、乗せた日本人客が書いた推薦文いっぱいのノートを見せてきます。売り込みモードです。もうこうなってくると、こちらは警戒心が高まります。
そんなところに1本の電話。
カード会社から連絡!
クレジットカード会社から電話がありました!怪しい取引があったので使用停止にしたそうです。聞いてみると身に覚えがない取引。どうやらスキミングされたのか不正利用されてしまったようです。ショックです。不正に使用された金額の請求は取り消していただけるとのことですが、問題は今後のカード使用です。こちらの状況をお話しをしたところ、本来ならカードの再発行となるようですが、オンライン取引以外は使えるようにしていただけました。そのほかにも条件がありましたが、ここでは控えます。ともかくクレジットカードが再び使用できるようになって助かりました。慣れているのかもしれませんが、素早くスムーズな対応でした。感謝です。
オートリキシャーをチャーター
ホテルに到着しました。ドライバーはさらに売り込みをかけてきます。ちょうど行きたいと思っていたところを回るコースを金額とともに提示してきました。ちょっと高いですが、安心料かと思いOKしました。一息入れてから、まずはアーグラー城から観光です。
アーグラー城(Agra Fort)
ムガル帝国の美しい赤い城
デリーからアーグラーへの遷都に伴い、ムガール帝国の第3代皇帝・アクバル帝が、1565年から1573年にかけて建設した居城です。その後の皇帝も増築などを行いかなりの規模になっていて、現在は一部が公開されています。この地方で産出する赤い砂岩を使用していることから「赤い城」の名前もあるそうです。1983年に世界遺産にも登録されています。
タージ・マハールを作った第5代皇帝のシャー・ジャハーンは、その散財ぶりのためか権力争いのためか、ここに幽閉されたとのこと。その場所が「囚われの塔」で、そこからタージ・マハールを遠くに眺めることができます。タイミングがあうとヤムナー川の水の上に浮かんで見えるようです。映画「007 オクトパシー」にもそういうシーンがあります。
ここは赤い色も美しいのですが、白い大理石、象嵌細工などが豪華にして壮麗でした。さすが皇帝の居城だけのことはあります。ほんとに美しさが際立っていました。ちなみにここではリスとかサルをずいぶん見かけました。
イティマド・ウッダウラー廟(Itmad-Ud-Daulah’s Tomb)
ベイビー・タージ・マハールとも呼ばれる白さと細工が美しい霊廟
ムガール帝国の第4代皇帝ジャハーンギールの妃が、その父母のために作った霊廟だそうです。ベイビー・タージ・マハールの異名も持っていますが、タージ・マハールよりも前の1628年に完成しています。先行プロジェクトというわけではないでしょうが、大理石の透かし彫りはタージ・マハールに受けつかがれているようです。ここを作った職人がタージ・マハールも作ったのかもしれませんね。
小さいですが、白さが際立つとともに、細工がとても美しく見事な霊廟でした。
マターブ・バーグ(Mehtab Bagh)
「黒いタージ」建設予定地から夕日のタージ・マハールを見る
タージ・マハールの対岸にあります。ここはタージ・マハールを作ったシャー・ジャハーン帝が自分の霊廟「黒いタージ」を建設するつもりだったといわれる場所。今は公園になっています。夕日に染まるタージ・マハールが美しいというので行ってみました。まぁ、こんな感じかなというところでした。
いろいろ勧めてくる要注意ドライバー
さてチャーターしたオートリキシャーのドライバーは、道すがら途中途中で、土産物を買いたくないか、いいレストランがある、インドの女は好きか、マッサージはどうだ、明日はどうするんだなどなど、いろいろ売り込んできます。全部、断りました。マターブ・バーグのあと、何も買わないよって言ってはいたのですが、興味があったので、市場に連れて行ってもらうことになっていたのですが、鬱陶しくなりそれも断りました。断り続けていたせいか、次第に不機嫌になっていくのが手に取るようにわかります。仕方ありません。しつこいのは嫌いなので。
ホテルに着きました。清算です。当初700ルピーと言っていたのですが、750ルピーと言いだしました。来ました!いつもなら交渉時にメモを書いて確認するのですが、ホテルに出入りしているドライバーだからと思い、ぬかってしまいました。もっとも私の聞き違い、記憶違いの可能性もあります。変にもめても嫌なので、750を支払いました。さらにチップはないのかと言ってきます。チップは少し渡すつもりだったのですが、50ほど余計に支払っているので、私からしたらそれがチップです。追加はあげませんでした。
ホテルの注意事項を書いた紙に、ピックアップのドライバーは、ホテルのスタッフではなく、ドライバーからの売り込みはご自分のご判断でどうぞ的なことが書かれていたのですが、こういうことだったんですね。察するにホテルにけっこう苦情が寄せられているのでしょう。日本人で推薦文を書いている人もいましたが、やはり合う合わないはありますね。
明日は、ついに念願のタージ・マハールです。
今日の歩数:15,500歩 世界一周はあと19日